2024-05-05
建物の資産価値を示す指標として、所有されている建物それぞれに「耐用年数」が定められているのをご存じでしょうか。
耐用年数は、建物の構造によって年数が異なりますが、資産価値を示すだけでなく、税金を計算する際にも影響します。
そこで、不動産売却における耐用年数とはなにか、建物構造別の耐用年数と減価償却の関係について解説します。
千葉県松戸市を中心に近隣市町村で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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不動産は築年数の経過とともに、資産価値が減少していきます。
この資産価値の減少を不動産価格に反映する際に用いられる基準が「耐用年数」です。
耐用年数の決め方には、物理的耐用年数・法定耐用年数・経済的耐用年数の3つの種類があります。
ここでは、3つの耐用年数の特徴について解説します。
物理的耐用年数とは、建物そのものの劣化により使用できなくなるまでの年数のことです。
つまり、構造物の仕組みや材質の品質を維持できる期間ということになります。
ただし、不動産は建物の使用状況によって変化しやすいため、不動産の耐用年数として用いられることはほとんどないでしょう。
物理的耐用年数が用いられるのは、主にバッテリーやテレビなどの家電製品です。
これらの製品は、耐用年数を経過すると使用することができなくなるケースが多いため、物理的耐用年数が用いられます。
法定耐用年数とは、税法上その建物に価値があるとされる期間で、価値を公平に算出するために設定されている年数です。
3つの種類のなかで、もっともよく目にし、聞きなれている耐用年数ではないでしょうか。
法定耐用年数は、不動産の種類や用途、構造によって定められており、この法定耐用年数を用いて建物の価値を算出します。
そのため、不動産売却では法定耐用年数を用いるのが一般的です。
なお、法定耐用年数を経過したからといって、使用できなくなったり居住できなくなったりするわけではありません。
経済的耐用年数とは、物の価値がなくなるまでの年数で、逆にいえばあとどの程度使えるかを示した年数です。
物理的耐用年数は、物が壊れる・使用できなくなるまでの年数を表していますが、経済的耐用年数もその年数を経過したからといって使用できなくなるわけではありません。
建物の機能や劣化の具合、将来的に必要となるメンテナンスや補修費用によって算出します。
そのため、同じ構造であっても建物ごとに数値が異なるのが特徴です。
物理的耐用年数よりも算出しやすいですが、公平性に欠けるデメリットがあるため、不動産においては法定耐用年数が用いられます。
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前述したように、不動産売却では法定耐用年数が用いられています。
法定耐用年数は、建物の構造によって年数が異なるため、所有している物件がどのくらいの年数なのか把握しておくと良いでしょう。
主な建物の種類には「一戸建て」「マンション」「木造アパート」があるため、それぞれの耐用年数を解説します。
一戸建ては、多くが木造で建てられており、木造住宅の新築の場合の法定耐用年数は22年となっています。
たとえば、建物の価格が2,200万円の木造一戸建ての新築の場合は、毎年100万円ずつ資産価値が減少することになり、22年後には資産価値が0円になる計算になります。
木造住宅の特徴は、1年あたりの資産価値の下落が大きい点です。
ただし、法定耐用年数を過ぎたからと言って、住めなくなるわけではありません。
あくまでも税法上の価値を有する期間ということになります。
中古一戸建ての場合は、新築とは計算方法が少し異なります。
中古の木造一戸建ての場合は「(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%」で計算します。
たとえば、築年数10年の木造住宅の場合は、前述の計算式に当てはめると「(22年-10年)+10年×20%=14年」となり、耐用年数は14年です。
法定耐用年数から単に築年数を引いた年数ではないため注意しましょう。
マンションの構造には、主に鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)と、鉄筋コンクリート造(RC造)の2種類があります。
一般的なマンションや高層マンションで使用されているこれらの構造は、木造よりも耐久性が優れているため耐用年数は47年と長く設定されているのが特徴です。
そのため、マンションは一戸建てと比べ資産価値が下落しにくいといえます。
なお、中古マンションを取得した場合も、中古一戸建てと同様の計算式で耐用年数を算出します。
木造アパートは、木骨モルタル造が用いられていることが多いです。
木骨モルタル造は、一戸建ての木造よりもさらに短い20年が耐用年数となっています。
そのため、もっとも資産価値の下落率が高く、不動産売却時も査定額が低くなる可能性があります。
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不動産売却の税金計算で気になる減価償却費とは?計算方法や注意点を解説
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ここまで耐用年数についてご説明しましたが、耐用年数は減価償却費を計算する際に用います。
そのため、耐用年数だけでなく減価償却の仕組みについても知っておくと不動産売却時に役に立つでしょう。
ここでは、減価償却とはなにか、また減価償却費の計算方法について解説します。
減価償却とは、不動産や車などのように年数が経過するごとに資産価値が減少していく資産について、取得費用を一定年数で割り、毎年経費として計上していく処理のことを指します。
そして、減価償却のために用いる会計上の費用のことを「減価償却費」といいます。
この減価償却費を計算する際に用いるのが、法定耐用年数です。
不動産の減価償却費の計算が必要となるのは、不動産を売却後に売却益(譲渡所得)が出たか計算する際に必要となります。
譲渡所得は、売却価格から不動産を購入した際にかかった費用(取得費)と、売却時にかかった費用(譲渡費用)を差し引いて求めます。
計算式にすると以下のとおりです。
譲渡所得=売却価格-取得費-譲渡費用
その際の取得費は、建物の購入代金をそのまま計上するのではなく、経年劣化した部分を減価償却し減価償却費として計上しなければなりません。
減価償却費は以下のような計算式で算出します。
減価償却費=建物の取得費×0.9×償却率×経過年数
償却率は、取得価格の何%までその年に経費算入して良いかを示す割合です。
償却率は、建物の構造によって異なるため、詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。
経過年数は、建物を購入したときから経過した年数を指します。
なお、土地については経年による劣化はないため減価償却する必要はありません。
また、減価償却費は築年数に応じて変わるため、売却するタイミングで随時確認が必要になるでしょう。
このように耐用年数は査定時の基準となるだけでなく、税金にも大きく関わる点も覚えておくと良いでしょう。
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不動産の耐用年数を決める際は、法定耐用年数を用いるのが一般的です。
また、一戸建てやマンションなどに利用される構造によって耐用年数が異なるため注意しましょう。
法定耐用年数は、建物の減価償却費を計算する際に必要となるため、併せて理解しておくことが大切です。
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