2024-12-17
近年、空き家問題の深刻化にともない、特定空家等については、固定資産税が増税されるなどのペナルティが科されるようになりました。
本記事では、空き家の固定資産税が増税となる背景や固定資産税が約6倍になる流れ、固定資産税の増税を回避するための対策方法について解説します。
千葉県松戸市を中心に近隣市町村で空き家を所有している方は、ぜひ参考になさってください。
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空き家を放置するリスクは、単に物理的な危険だけでなく、経済的な損失も引き起こす可能性があります。
とくに重要なのが、固定資産税の増税です。
不動産所有者は通常、所有している土地や建物に対して固定資産税を支払う必要があります。
固定資産税の標準税率は、課税標準額(固定資産の評価額)の1.4%です。
しかし、住宅が建っている土地に対しては、固定資産税が減額される「住宅用地の軽減措置」が設けられています。
「住宅用地の軽減措置」が適用されると、以下の割合で固定資産税が減額されます。
しかし、特定の条件を満たす空き家(特定空家)に指定されると「住宅用地の軽減措置」が適用外となる恐れがあるのです。
軽減措置が適用外となった場合、固定資産税が最大6倍(実質的には税額が4.2倍)増税されることになります。
2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、放置された空き家は「特定空家」に指定されるようになりました。
「特定空家」とは、以下のような条件を満たす空き家を指します。
特定空家に指定されると、所有者は行政の指示にしたがって、適切な対処を求められます。
行政の指示にしたがわない場合に、固定資産税の軽減措置が受けられなくなるなどのペナルティがあります。
2023年の法改正により「空家等対策特別措置法」の範囲が拡大され、固定資産税の増税対象が「特定空家」から「管理不全空家」にも拡大されました。
「管理不全空家」とは、今後「特定空家」に指定される可能性がある状態にある空き家を指します。
たとえば、窓が割れたまま放置されている、敷地内が雑草で覆われているなど、適切な管理がおこなわれていない状態の空き家などです。
空家等対策特別措置法は、空き家の所有者に対して積極的な管理または適切な対策を促すことを目的としています。
空き家が増えることによる社会的、経済的な問題を抑制し、より良い住環境の維持を図るために、このような法的措置が強化されたのです。
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「特定空家」や「管理不全空家」への指定がおこなわれた後、固定資産税の軽減措置が直ちに終了するわけではありません。
「特定空家」や「管理不全空家」に指定されたときの流れは、以下のとおりです。
最初に、地方自治体の担当者が該当の空き家を訪れ、建物の劣化状態や周囲の環境などを詳細に調査します。
調査の結果、空き家が周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があると判断された場合に管理不全空家に指定され、所有者へ通知が行きます。
所有者に指導しても改善が見られない場合は、特定空家に指定される流れです。
特定空家に指定されると、所有者は自治体から具体的な改善指導や必要な措置についての助言がおこなわれます。
建物に破損がある場合は、その修繕をおこなうよう指導されます。
たとえば、壁の補修、屋根の修理、窓の交換などです。
建物が修繕不可能なほど劣化している場合や、維持管理が困難な場合には、解体をすすめられます。
この段階で改善措置を実施した場合は、自治体の担当者が再度評価をおこなう流れです。
自治体からの助言や指導にしたがわなかった場合、次の段階として「勧告」を受けることになります。
勧告は、より強制力のある措置に移行する前の警告として機能します。
勧告後も必要な対策を講じない場合、固定資産税の軽減措置の適用外となり、固定資産税が通常の額から約6倍に増税される流れです。
特定空家や管理不全空家の所有者が勧告にも応じず改善が見られない場合、次の段階として「命令」が発されることになります。
命令は、先行する助言・指導や勧告よりも法的拘束力が強く、重い措置です。
命令を無視すると、行政処分の対象となり、最大で50万円以下の過料が科されます。
所有者が一連の法的措置にも応じない場合、最終手段として「行政代執行」が実施されることもあるため、注意が必要です。
行政代執行とは、所有者の責任を行政が一時的に代行する形で実施されるものです。
たとえば、行政が直接介入して空き家の解体や不用品の撤去など必要な措置をおこないます。
解体や撤去作業にかかった費用は、全て空き家の所有者が負担しなければなりません。
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固定資産税が約6倍に増税されるのを回避するためには、空き家の管理に関して積極的に取り組むことが重要です。
具体的な対策方法は、以下のとおりです。
空き家の状態に関して自治体から改善の連絡が入った場合、その指示を無視せずに迅速に対応しましょう。
敷地内のゴミ撤去や建物の解体など、具体的な指示に基づいた行動をとることが大切です。
敷地内に散乱しているゴミは、専門の業者に依頼して徹底的に撤去しましょう。
また、劣化が進んでいる場合には、建物を解体して更地にすることが選択肢の1つです。
リフォームやリノベーションをおこない、自己使用や賃貸物件として再活用することも有効な手段です。
これにより、建物の価値を高め、将来的に資産価値の向上が期待できます。
空き家を所有している限り、固定資産税の支払いや適切な管理が必要です。
空き家を所有し続けることの経済的負担や管理責任から解放されたい場合、売却するのも1つの手です。
空き家を解体せずに現状のまま売却すると、解体費用を節約できるメリットがあります。
とくに、解体にかかる費用が高額な場合、そのまま売却すると直接的な出費を抑えることが可能です。
相続した空き家を売却する際には、一定の条件に当てはまる場合、売却益から最高3,000万円まで控除できる特例が適用されます。
この特例を利用するには、相続が開始された日から3年を経過する年の12月31日までに売却を完了する必要があるため、お早めにご検討ください。
劣化が進んでいる建物が倒壊するリスクがある場合は、解体してから売却するのがおすすめです。
建物を撤去し更地にすると、購入希望者にとっては使い勝手が良いため、売却が容易になります。
自治体によっては、古い空き家の解体費用について補助金が受けられる場合もあるため、事前に役所に問い合わせてみましょう。
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特定空家や管理不全空家に指定された場合、住宅用地の軽減措置が受けられなくなり、固定資産税が約6倍になる恐れがあります。
行政から勧告を受けてもしたがわなかった場合に、ペナルティとして固定資産税が増税となる流れです。
増税を回避するための対策は、空き家の状態を改善すること、売却すること、空き家を解体することが挙げられます。
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