2025-04-15
遺言書とは、相続が発生したときに財産の分割をスムーズにおこなうために作成するものです。
遺言者の意思を尊重したり、財産の帰属先を指定したりするものなので、作成後は大切に保管しておく必要があります。
しかし、何らかの事情によって、紛失してしまうケースも少なくありません。
今回は、相続のために準備した遺言書を紛失してしまったときの対処法を、種類ごとに解説します。
千葉県松戸市とその周辺エリアで、不動産を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、自筆証書遺言書を紛失した場合について見ていきましょう。
自筆証書遺言書とは、財産の所有者が、自ら作成する種類です。
内容や作成した日付、名前や押印をして作成します。
いつでも作成することができたり、費用をかけずに意思を残したりできるのがメリットです。
また、修正したいときもすぐに対応することができます。
相続のための自筆証書遺言書をなくしてしまった場合は、新たに作成し直すことになります。
書いていない状態に戻るとお考えください。
自筆証書遺言書は、財産を所有している方によって、原本を作成する必要があります。
なかには「コピーがあるから大丈夫!」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、コピーの場合、自筆証書遺言書の特徴である「自筆」の部分を満たすことができません。
そのため、原本でなければ、遺言書としての効力が認められないことになります。
自筆証書遺言書を紛失してしまったときは、相続時に効力を発揮させるために、書き直すことが原則ということを押さえておきます。
自筆証書遺言書を再度作成する場合の注意点は、以前作成したものが見つかる可能性を踏まえて、内容を考えることです。
紛失したと思って再度作成し、相続が発生した際に、最初に作成した遺言書が出てくる可能性があります。
遺言書は新しいものが優先されるものの、新しいほうに記載されていない部分は、古いものが有効のままです。
さらに、最初の遺言書だけ見つかり、新しいものが発見されなかった場合では、誤って古いほうの内容で執行してしまう危険性も出てくるでしょう。
思っていた相続と異なる状況になったり、遺言者の意思が伝わらなかったりする恐れもあります。
自筆証書遺言書を再度作成する場合は、リスクが伴うということを押さえておいてください。
自筆証書遺言保管制度とは、自筆証書遺言の原本を法務局に預けて、画像データとして保管するサービスのことです。
紛失のリスクが高いといった、自筆証書遺言のデメリットを補完するために誕生しました。
このサービスを利用することによって、原本を管理する必要がなくなり、紛失するトラブルを回避できます。
偽造や変造を防止できることも、大きなメリットといえるでしょう。
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続いて、相続のために準備した、公正証書遺言書を紛失した場合について解説します。
公正証書遺言書とは、公証人が作成する種類です。
公証役場に足を運び、公証人に内容を伝えたうえで、作成してもらいます。
公証人が内容をすべて記載するので、財産を所有している方は名前を書いたり押印をしたりするだけでOKです。
公証人とは、裁判官や検察官などを務めた法律の専門家で、法的な知識を持つ公務員です。
中立な立場で、公正証書遺言書を作成してもらうことができます。
公正証書遺言書のメリットは、証明力と執行力が高く、安全性に優れていることです。
もし相続時にトラブルが起こったとき、信頼性に優れているため、効力を発揮することができます。
公正証書遺言書を紛失してしまった場合は?
公正証書遺言書をなくしてしまった場合、それは謄本なので効力に問題はありません。
公文書は公証役場に原本が保管され、依頼者に渡すのはあくまでもコピーとなります。
そのため、万が一謄本を紛失してしまったとしても、原本が公証役場にあるため安心です。
謄本は再発行が可能なので、なくしてしまったあとも手元に置いておきたい場合は、公証役場に請求します。
公正証書遺言書は自筆証書遺言書とは違い、なくしてしまっても書き直す必要はありません。
先述のとおり、原本は公証役場に保管されており、紛失の影響が少ないからです。
作成した公証役場がわからない場合でも、遺言検索というシステムを利用(平成元年以降に作成したものに限る)すれば、どこに保管されているのかを調べることができます。
再発行には手数料がかかるので、注意が必要です。
また、公正証書遺言書の作成する際にも、費用がかかります。
安くない金額であるものの、相続が起きたときに信頼性に優れた遺言書を用いることができたり、紛失のリスクがなかったりするのがメリットです。
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最後に、相続のために準備した、秘密証書遺言書を紛失した場合の対処法について解説します。
秘密証書遺言書とは、内容を伏せたまま、公証人に遺言書の存在だけを証明してもらう種類です。
作成したあと、封筒に入れ封を閉じた状態となるので、偽造したり内容を変更したりといったことができません。
財産を所有している方が亡くなるまで、内容を秘密にできる種類となります。
秘密証書遺言書は、まず所定の方式に沿って内容を記載し、それを公証役場に持ち込みます。
公証人が立ち会いますが、あくまでも遺言書が存在することを証明するだけのため、内容は確認しません。
また、秘密証書遺言は原本が保管されず、保管制度もないので、作成者が何らかの保管する必要があります。
秘密証書遺言書を、万が一なくしてしまった場合は、新たに作成が必要です。
先述のとおり、原本が保管されず保管制度もないので、作成者側で保管しておかなくてはなりません。
秘密証書遺言書は、紛失すると無効になるということを念頭に置き、厳重に保管しておく必要があります。
秘密証書遺言書はメリットが少なく、実務的にも利用者がほとんどいないのが現状です。
公正証書遺言なら原本は公証役場に保管されているため、なくしてしまってもすぐに謄本の再発行を請求することができます。
そのため、公証役場を利用するのであれば、秘密証書遺言ではなく公正証書遺言で作成しておくのがおすすめです。
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相続のために作成した自筆証書遺言書を紛失した場合は、書いていない状態に戻るため、新たに作成し直す必要があります。
公正証書遺言書は公証人が作成する種類で、公証役場に原本が保管されているため、なくしてしまった場合は謄本(コピー)を請求することが可能です。
秘密証書遺言書とは、内容を伏せたまま、公証人に遺言書の存在だけを証明してもらう種類で、紛失すると無効となり再度作成する必要があります。
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