2025-04-22
相続税は、基本的に納税者が計算して申告します。
申告期限が短く、計算も煩雑であるため、間違いなどで本来より高い金額を納めてしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、そのようなときに受けられる相続税の還付について解説します。
納めすぎてしまう理由や手続きの期限、還付の事例などを解説しますので、千葉県松戸市を中心に近隣市町村で相続された方はぜひご参考にしてください。
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相続税の還付とは、相続税を納めすぎていた場合に、更正の請求と呼ばれる手続きをおこなって返金してもらうことです。
計算ミスや評価額の誤りなど、納税者の間違いによる場合でも、更生の請求をおこなうと返してもらえます。
国税庁の統計データによると、平成28年には相続人574名に合計13億4,200万円、平成29年には622名に合計13億1,700万円が還付されています。
そして、還付の平均金額は1件あたり1,200万円と、大きな金額が返金されているのです。
けれど、なぜ納税済みの相続税を取り戻せるのでしょうか。
そこには、相続税を納めすぎてしまう理由が関係します。
どのような理由なのか、おもなものを3つ確認してみましょう。
相続税の納めすぎの理由として多いのは、土地の評価が難しいことです。
実際に、相続税が還付されている事例の多くは相続財産に土地があるケースです。
相続税の計算には相続財産の総額を使うので、土地の評価は正しくおこなわなくてはなりません。
けれど、土地には評価方法が複数あるうえ、さまざまな減額要因もあるので算出が煩雑です。
専門家でも、評価額に差が出ることがしばしば起こるくらいです。
そして、土地の評価が本来よりも高くなると、相続税の納めすぎにつながってしまいます。
相続税には、税金の負担軽減につながる控除や特例が複数設けられています。
ただし、それらの控除や特例は、要件を満たしていても自動的には適用されません。
そのため、適用を忘れてしまうと、本来よりも多くの相続税を納めることになってしまいます。
相続税が発生する場合は、基本的に被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内に申告と納税をしなくてはなりません。
この期限を過ぎると、ペナルティとして無申告加算税を課されてしまいます。
そのため、納税者は短い期間のなかで慣れない計算をしなくてはならず、間違いなどが起こってしまうのです。
さらに、相続税は自己申告納税制度であり、申告した内容が正しいとみなされます。
少ない場合は別ですが、多く支払われていても税務署から指摘されることはありません。
そのため、間違っていても気付かずに納めすぎてしまうことがあるのです。
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相続税を納めすぎてしまったときは、還付を受けることができます。
ただし、手続きには期限が設けられており、過ぎてしまうと還付を受けられません。
いつまでに申請すれば良いのか、確認しておきましょう。
相続税の還付を受ける場合、請求できる期限は5年です。
相続税の申告期限から5年を過ぎると、還付を受けることができません。
なお、還付では納税額の20%は返還される可能性があると言われています。
相続税額は数千万円になることもあるので、20%でも大きな金額になるでしょう。
それほどの金額が納めすぎになってしまわないように、還付手続きの期限には十分に注意しましょう。
相続税の還付を受けるためには、以下の流れで更生の請求手続きをおこないます。
まず、相続税を申告する際に提出した書類などを見直して、修正箇所がないかどうかを確認しましょう。
修正があって還付を受けられることがわかったら、必要書類を準備して、税務署で更生の請求手続きをおこないます。
必要書類は相続税の更正の請求書や修正申告書、相続税申告書の控えなどです。
ほかにも、更正の請求に至るまでの経緯を証明できる書類や、土地の正しい評価額やその計算の根拠についての書類などが必要です。
更正の請求に至るまでの経緯を証明できる書類は、遺産分割協議書や遺言書などを準備しましょう。
必要書類を提出すると、税務署による検討がおこなわれます。
そして還付が決定すると、始めに更正通知書、次に国税還付金振込通知書が届きます。
更生通知書は相続税の還付が決定したことを知らせる通知で、国税還付金振込通知書は還付される金額が記載された通知です。
最後に、指定した口座へ還付金が振り込まれます。
一般的には書類の提出から3か月ほどで更生通知書が届き、その数日後に国税還付金振込通知書が届き、その2週間ほどあとに還付金が入金されるでしょう。
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先述のとおり、平成28年には574名、平成29年には622名に相続税が還付されています。
これは少ない人数ではなく、見直しをすると還付される可能性は十分にあると言えます。
では、実際に還付される事例はどのようなものなのでしょうか。
相続税還付の事例の多くは相続財産に土地があるケースで、正しく評価した結果、相続税の納めすぎが判明して還付金が発生しています。
そこで、土地の評価額が要因で還付金が発生した事例を3つ確認してみましょう。
地積規模の大きな宅地とは、それまでの広大地評価の代わりに設けられた制度です。
該当するのは、三大都市圏では地積が500㎡以上、それ以外では1,000㎡以上などの要件を満たした宅地です。
地積規模の大きな宅地に該当すると、評価方法が通常とは変わって評価額が下がります。
そのため、該当するにもかかわらず通常の評価方法で計算していたことがわかり、還付を受けた事例があります。
不整形地とは、形が整っていない土地のことです。
不整形地に該当するのは三角形やL字型の土地、高低差や傾斜のある土地などです。
正方形や長方形などの土地に比べると、不整形地は敷地のすべてを有効活用することが難しいため、その分評価額が下がります。
そのため、評価を見直して申告よりも評価額が下がることがわかると、相続税が還付されます。
相続税還付の事例には、相続した土地自体ではなく、周辺の環境が減額要素となったものもあるので確認しましょう。
たとえば、近くの幹線道路や線路の騒音、ゴミ集積場の隣接などの要素です。
車や電車がうるさいことや、ゴミのにおいが気になることなどは、土地の評価額の低下につながります。
実際に、これらの要素を加味して再評価した結果、数百万円が還付された事例があります。
また、土地のある地域が土砂災害警戒区域に属するなど、災害リスクが評価額の低下と相続税の還付につながった事例もあるので覚えておきましょう。
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相続税を納めすぎた場合は、還付を受けることができます。
還付を受けたいときは、相続税の申告期限から5年以内に更生の請求をおこないます。
数百万円が戻った事例もあるので、納めすぎが気になる方は一度見直しをしてみましょう。
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